Image by I, Sakurambo(CC BY-SA)
現在知っている範囲の情報をざっくりとまとめ。
正直、理解が甘い部分もあるので、将来的に改訂することがあるかも。
もくじ
カラーマネジメントとは
PCのディスプレイ(モニター)で見る写真の色合いと、プリントの色合い(または他のデバイスで表示した際の色合い)をできるだけ近付けること。
概要
暗い環境で補正すると明るい環境で見たときに濃度が浅くなってしまう、というのは盲点だった。Macは画面の輝度を下げるとコントラストも下がって淡い画になるのだが、その理由はこれを補正するためかな。
ディスプレイ側
ディスプレイが表現できる色の範囲(色域、色空間)は製品によってまちまち。
写真のプロが使うのは「カラーマネジメントモニター」と称するディスプレイで、カバーしている色域が広く、色の再現性に優れている。
Appleの現行製品では、以下が広色域(Display P3)に対応している。
- iMac(5K/4Kディスプレイ)
- MacBook Pro
- iPad Pro
- iPhone 7以降/iPhone X
これらのデバイス間では色合いの差異を気にせず使える(アプリ開発などの際)。
また、Display P3がカバーする色域は映像業界で使われる「DCI-P3」や印刷業界で使われる「Adobe RGB」に近い。
- Appleから始まる新しいカラースペース『Display P3』と再構築されたカラーマネジメント新時代。Lr Mobileなどアプリとの連携。 : Lightcrew Digital-Note
- iPhone 7の色域とカラーマネジメントが斬新すぎる – アメリカ生活の知恵
ディスプレイは経年劣化によって色合いが変化するし、そもそも個体差が多少ある。
そこも含めた厳密なカラーマネジメントを行うなら、カラーキャリブレーションツール(測定器)を用いてカラープロファイルを作成しOS上で適用する。
EIZO製のカラーマネジメントモニターにはキャリブレーションセンサーが内蔵された機種があり、これについては別売のツールは必要なさそう。
高価なディスプレイやツールに手が出せない場合は、Windows・Macとも、自分の目を頼りにディスプレイの色合いを補正する機能が使える。
厳密さには欠けるものの、たとえば「プリントに比べるとどう見ても画面が青っぽい」といったケースではそれなりに有用。
カメラ側の設定
デジカメの設定の中には色空間の設定があり、「sRGB」と「Adobe RGB」のふたつの選択肢がある。
Adobe RGBのほうが規格上の色域が広いのできれいに撮れそうなイメージがあるが、表示するディスプレイの色域が狭いと本来の色合いで表示できないほか、一般的なデジカメプリントサービスがsRGBのみ対応している(Adobe RGBで撮った写真は色合いが変わることがある)など、Adobe RGBの色域を十分に活かすための条件は意外と厳しい。
なので、撮った写真の用途が以下ならAdobe RGBが、それ以外ならsRGBが適切と言えそう。
- 商業印刷
- インクジェットプリンター(上級機)での印刷
- 手持ちの広色域ディスプレイ上で楽しむ
とはいえ、PhotoshopやLightroomでは書き出しの際にsRGBに変換できるので、撮る段階ではひとまずAdobe RGBで撮っておいても大きな問題はないはず。
Lightroomの「ソフト校正」
Lightroomの現像モジュールにある「ソフト校正」機能を使うと、出力先の環境での色の飽和を事前にチェックできる。っぽい(ちゃんと使ったことがまだない……)。
- 第26回 ソフト校正 その1 | Lightroom 実践力アップ講座 | Shuffle by COMMERCIAL PHOTO
- 第27回 ソフト校正 その2 | Lightroom 実践力アップ講座 | Shuffle by COMMERCIAL PHOTO
プリントの準備
プリントの際は、カラーマッチングをプリンタドライバー側とアプリケーション側のどちらで行うかを選択する。
また、プリントする用紙に合わせたICCプロファイルが必要となる。
PIXUS(Canon製プリンター)用のICCプロファイル
Canon純正用紙のICCプロファイルは、プリンタドライバーをインストールする際に併せてインストールされている。
↑の表を元に、用紙に合わせたプロファイルをプリント時に選択する。
他社製の用紙のICCプロファイルは、一部の機種(上級機)用は公式サイトで配布されている。
手持ちのプリンターが該当機種でなくても、用紙メーカー各社のサイトがICCプロファイルを配布していることがあるので探してみる。
Epson製プリンター用のICCプロファイル
Epson純正用紙のICCプロファイルは機種毎に公式サイトで配布されている。
他社製の用紙のICCプロファイルは、用紙メーカー各社のサイトから入手する。
プリント時の設定(Ps・Lrの場合)
PIXUS(Canon)
- キヤノン:Q&A検索|【インクジェットプリンター】PhotoShop Elementsでカラーマッチングを使って印刷する方法
- キヤノン:Q&A検索|【インクジェット複合機】PhotoShop Lightroomシリーズでカラーマッチングを使って印刷する方法
Windowsでは、アプリケーション側でカラーマッチングする場合はプリンタドライバー側の色調整>マッチングを「なし」にするのがポイント。
MacOS(10.5以降)ではこの点を注意する必要がなく、アプリケーション側でカラーマッチングを設定すると、プリンター側の設定では「カラー・マッチング」の項がグレーアウトする。
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