量販店で売られているパソコンのほとんどにはMicrosoft Office(以下「Office」)が入っていますが、格安の機種やショップブランドなど、Officeが入っていないパソコンも一部売られています。
また、「メーカーの直販サイトでパソコンを注文する場合」や「パソコンを自作する場合」などは、Offceを入れるかどうかを自分で選ぶことになります。
Officeはけっこう高額なソフトです。
一方で、Officeに近い機能を持つので「互換オフィス」と呼ばれている他社製のソフトもあります。
とても安価な「KINGSOFT Office」や、無料でダウンロードできる「LibreOffice」「OpenOffice.org」などがあります。
互換オフィスで済ませれば費用を抑えられますが、場合によっては、Officeそのものではないことで不都合が生じることもありえます。
じゃあ、やっぱり少々高くてもOfficeを使ったほうがいい?
それでも互換オフィスで十分?
ここからは比較のために、Officeが互換オフィスより優れているところを挙げてみたいと思います。
これから書くことに少しでも利点や魅力を感じたら、Officeにお金を払う意義はあると思いますし、そうでなければ、互換オフィスで十分かも……というわけです。
(1)Officeは、Officeで作られたファイルを完全な形で開ける
(↑なんだか当たり前のことを言っている気もしますが……)
Officeで作ったファイルは、互換オフィスでも開いて編集したり印刷したりすることができます。
ですが、互換オフィスはOffice文書のレイアウトを完璧に再現できるわけではないので、多少見栄えが崩れてしまう場合があります。
逆に、互換オフィスで作ったファイルをOfficeで開いたらデザインが崩れた、なんて場合もあります。
つまり、「Officeのファイルを完全な形で他のパソコンと共有する必要があるなら、Officeがあったほうが良い」と言えそうです。
逆に言えば、他のパソコンとOfficeのファイルのやりとりをしないとか、多少レイアウトが崩れても内容が伝われば十分、という方は互換オフィスでもよさそうですね。
ちなみに、無料で利用できるウェブ版のOffice「Office Web Apps(※)」を利用すれば、パソコンにOfficeが入っていなくても、Word・Excel・PowerPoint・OneNoteのファイルを本来のレイアウトで開いたり、簡単な編集をしたり、メール等を通じて共有することができます。
編集機能が限られてはいますが、Office文書をやりとりする手段の一つとして覚えておくといいと思います。
※2014/2/22追記:
「Office Web Apps」は「Office Online」に改称されました。
現在はOffice 2013相当の画面デザインになっています。
(2)使い方を調べやすい・聞きやすい
Officeはなにしろ世界一使われているオフィスソフトなので、参考書の数やネット上の情報量、詳しい人の数が一番多いことになります。
互換オフィスは、PCや検索のスキルに自信のない方にはあまり向いていないと言えるかもしれません。
(3)便利な機能やテンプレートが豊富
2007以降のOfficeには、見栄えの良い文書を手っ取り早く作れる機能が豊富に備わっています。
筆者がこれまでに実際に使って気に入っているのが……
Excelでは、「テーブル」機能や、データバーやカラー スケールなど。(データバーとカラースケールはLibreOfficeでも使えるそうですが)。
WordやPowerPointなら、「テーマ」や「スタイル」、SmartArt、写真やクリップアートのちょっとした調整ができる「図ツール」など。
文書のデザインにこだわりたいなら、最新のOfficeがおすすめです。
逆に、装飾はあまり必要ない、本当に必要な機能さえ備わっていればよい、と考える方は互換オフィスを選んでもいいと思います。
関連ページ:いまさら聞けない? Word ドキュメントの見栄えを良くする 5 つのポイント│Word (ワード)│Microsoft At Home マガジン
(4)操作の習得が事務系のスキルにつながる
事務系のお仕事では、WordやExcelの操作に慣れることは必須条件。
特に、MOSや日商PC検定の受験を目指す場合は、他のソフトでは換えが効きませんよね。
(Officeが優れているところというより、現実的にしかたのない部分の話になってしまいました……。)
(5)OneNoteが便利
Office 2010のHome and Business版には、デジタルノート「OneNote」が含まれています。
ウェブの情報やファイルを取り込んだり、文章を書き入れることで、アイデアノートや備忘録として役立つツールです。
競合のツールでは「Evernote」も有名ですが、ページの白紙の中のどこからでも書き始められるなど、紙のノートに近い感覚があるのはOneNoteならでは。
Office購入の決め手になるとまでは言いませんが(単品でも買えますし)、おすすめしたいソフトの一つです。
さいごに
個人的には、Officeには値段相応の価値があって、きちんと機能を学ぶことで価値を引き出せるソフトだと思っています。
ただ、もしも今、家族用にパソコンを1台買い足すとしたら、コストを優先して互換オフィスやOffice Web Appsで済ませることになりそうだな……とも思います。
その時の用途に応じて、柔軟に選んでいきたいです。
互換オフィスソフトの性能については、以下のページが参考になります。
互換オフィスの実力:PC Online
LibreOfficeとOpenOffice違い? – Office系ソフト – 教えて!goo
以上、オフィスソフトで迷っている方の参考になればうれしいです!