誰にとってお得なの? Officeの新提供形態

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そのため、説明内容が古くなっている箇所があります。あらかじめご了承ください。

先日、Microsoft Officeの新しい個人向け製品が発売されました。
これまでのプリインストール版Officeに替わる「Office Premium」と、数年前から企業向けに提供されているサブスクリプション(契約制)サービスの個人版「Office 365 Solo」の2つです。

これらの特徴をまとめつつ、ユーザーにとってのメリットなどを考えてみます。

Office Premiumの特徴

「Office Premium」は、Windowsパソコンに搭載されるプリインストール版Officeの新しい形です。
これまでとの最大の違いは、無料で永続的に最新のバージョンを利用できること。

Officeは3~4年おきに新しいバージョンが発売されますが、数万円出して新バージョンに買い換える方は少なく、ほとんどの方がパソコンを買ったときに入っていたOfficeを使い続けています。
ですが、今後はOffice Premium搭載パソコンを買えば、将来登場する最新バージョンのOfficeに無料でアップグレードできるようになります。
実際にアップグレードするかどうかは選択できるので、仮に将来2003→2007のようなUIの大変化があったとしても(当面ないとは思いますが……)使い慣れたバージョンのまま維持することも可能です。

また、以下のOffice 365 サービスが1年分無料でついてきます。

  • Office for iPadのフル機能の利用権
  • オンラインストレージ「OneDrive」の容量が無制限に
  • Skypeでの1ヶ月あたり60分の無料通話
  • Office テクニカル サポート(電話等での1対1のサポート)

2年目以降もOffice 365 サービスを継続利用したい場合は、5,800円+税で1年ごとに更新できます。

Surface Pro 3をはじめ、既にいくつかのメーカーがOffice Premium搭載の新機種を発売しています。

Office 365 Soloの特徴

「Office 365 Solo」は、契約期間の間はずっと最新のOfficeが利用できるサービスです。
パソコンの買い換えではなく、いま使っているパソコンに新たにOfficeを導入したい場合の新しい選択肢と言えます。

Windowsでは、Word・Excel・Outlook・Powerpoint・OneNote・Access・Publisherの7種類のアプリケーションが利用できます。

MacではWord・Excel・Outlook・Powerpointの4種類。OneNoteは別途App Storeでダウンロードできますが、AccessとPublisherにMac版はありません。

これに先述のOffice 365 サービスも加わって、気になるお値段は、1ヶ月あたり1,274円。
年間契約だと12,744円(1ヶ月あたり1,062円)と少しお得になります。
ちなみにAmazonではここからさらに値引きされて、1年分のライセンスが現在11,800円(1ヶ月あたり983円)となっています。


Microsoft Office 365 Solo(1年版) [オンラインコード] [ダウンロード]

Office for iPadの単体販売はなさそう……

iPadユーザーにとっては待望のOffice for iPadですが、先行している米国同様、編集機能を使えるのはOffice 365の契約者のみとなりそうです。

パソコンにOffice 365が不要なユーザーにとっては残念ですが、Officeの古いバージョンとの互換性問題を避けるための施策とも考えられます。

※11/7追記:
Office for iPadが公開されました! 基本無料のアプリで、Office 365ユーザーでなくても簡単な編集機能は使えるようになっていました。嬉しい変化です。
記事書きました→無料でも実用的! Excel for iPadを使ってみました

「Office 365 Solo」を選ぶメリットは?

まず、WindowsとMacを併用している個人にとっては大きなメリットがあります。
従来の製品ではMac版OfficeをWindows版とは別に買わなければいけませんでしたが、Office 365 SoloはWindowsとMacの両方で利用でき、かつ契約者が持つパソコン2台にインストールできるので、1つのライセンスで両方のマシンに最新のOfficeをインストールできるわけです。

また、必要な期間が数ヶ月~2年ほどの間に限られる場合も有効な選択肢になると思います。
資格取得のための勉強期間だけ使いたいとか(特にMOS Accessを取りたい場合)。
卒論を書く間だけ使いたいとか(もっとも、学生さんはできれば在学中にアカデミック版を買ったほうがお得です)。
PTAや町内会の役員になったとか。

今回のような新しい販売形態に注目するのは主にスキルの高いユーザーですが、場合によっては、それほど積極的にパソコンを使っていなかったユーザーにとってもメリットのある形なのかもしれません。(店員さんセールスがんばって……!)

2年以上使う見込みがあるなら、2万円台で売られているOffice 2013のパッケージが引き続き候補に入ります。


Microsoft Office Home and Business 2013 [オンラインコード] [ダウンロード] (PC2台/1ライセンス)

広まるサブスクリプション提供

近年、サブスクリプション制でソフトを提供しているのはマイクロソフト社だけに限りません。

昨年はAdobe社が、「Photoshop CC」などプロクリエイター向けソフトの新バージョンをサブスクリプションのみでの提供(つまり、売り切り型のパッケージでは今後最新版を発売しない)としたことがユーザーの間で話題を呼びました。
また、国内では以前からジャストシステム社が、日本語入力ソフト「ATOK」をパッケージ版と月額契約版(ATOK Passport)を並行する形で提供しています。

Officeの場合は今のところ従来のパッケージの販売が継続されていますが、次期バージョンでは販売形態が変わる可能性もあります。

高速なネット回線の普及やクラウドサービスの発展に伴って、今やパソコンのソフトは買って所有する「もの」としての側面だけでなく、有料放送のチャンネルやオンラインゲームのように、利用したい間だけ使用料を支払う「サービス」としての側面を持ち始めていると言えるのではないでしょうか。

関連リンク集

Office ではじまる、自由な毎日。 – Microsoft Office
公式サイト。Office 365 Soloの無料試用版のダウンロードや、1ヶ月ライセンスの購入ができます。

日本向けOffice 365に付随するOneDriveも容量無制限に – PC Watch
発売当初は1TBとされ、その後無制限にすると発表されました。
バックアップ取り放題、大容量ファイルの共有し放題ですね。

【大河原克行の「パソコン業界、東奔西走」】Office搭載PCを3台買ったら、使えるのは3年間? それとも3TB? ~複雑な新Officeの仕組みやライセンスを解説 – PC Watch
利用期限を過ぎたらどうなる? など、細かい部分まで解説されています。

モバイル向け Office – iPad、iPhone、Windows Phone、Android 携帯
iPadやスマホ用に提供されているOffice系アプリを一覧できます。